国鉄新性能電車

183系 基本番台

 183系は,1972(昭和47)年に開通した房総各線と東京地下駅を結ぶ特急電車として開発されました。183系にはATC装備の地下用車両で,しかも分割併合が可能であることが求められたため,車体前頭部は581系で採用された貫通形となり,房総各線や他の線区での多客期臨電にも使用できるように,特急形では初めての2ドア車体が採用されました。パンタグラフは181系と同様にM車に2基搭載され,クーラーはM車が集中形,他車は分散形AU13Eと急行並みに大変更されました。MG,CPをTc車の床下に移し,TcMM'MM'MM'TsTcの9連でまず内外房総線に登場しています。食堂車はなくなり,181系と比較して変化の少ない編成となりました。アコモデーションでは,普通車の腰掛に簡易リクライニングシートが採用されているのが特徴です。

No.319-10
1993年12月18日
183系 しおさい
総武本線 物井→佐倉

183系0番台車で運転される「しおさい」。写真は幕張電車区35・36編成で,編成は前から
クハ183-21-モハ183-44-モハ182-44-モハ183-33-モハ182-33-クハ183-4です。

No.247-26
1991年11月16日
183系 あやめ
鹿島線 潮来→十二橋
常陸利根川の鉄橋を渡る「あやめ」。
No.247-11
1991年11月16日
183系 あやめ
成田線 成田→酒々井
晩秋の成田線をゆく「あやめ」。
No.247-10
1991年11月16日
183系 ウィング
成田線 根古屋(信)→空港第2ビル
成田空港へのアクセス臨時特急として運転されていた「ウィング」。
No.N9002-20
1990年4月1日
183系 さざなみ
内房線 堀田


内房線の館山・千倉と東京間の特急「さざなみ」。先頭は0番台です。久留里線乗りつぶしに行った際,撮った1枚。駅名不明でしたが,画像検索により堀田と判明しました。
183系 1000番台

 183系1000番台は,老朽化が目立つようになった181系の置き換えのために開発されました。計画中に発生した48年度冬季の豪雪で181系「とき」が故障し運休が長期にわたって社会問題になったことから,49年度の冬季に間に合わすよう,開発が急がれました。設計は183系基本番台を基本に耐寒耐雪性能の向上を図ることとされ,形式の上では1000番台に区分された新形式が誕生し,1974(昭和49)年12月28日から「とき」系統で運用を開始しました。車体は基本番台同様A-A基準構造とし,非貫通形状に変更するとともに,使用線区の関係でATC機器を廃止しています。基本番台ではモハ183(M)に主回路機器を集中させていましたが,1000番台では雪害対策の関係でモハ183の床下機器の点検が困難になるため,断路器,断流器がモハ182(M')に移設され,これに伴いパンタグラフがモハ182に移動しています。基本番台同様,食堂車はなく,車販準備室(サロ183)を組み込んだ8M4Tの12連となっています。サロ183のうち1両に予備MG,CPを搭載しています。運転台後部に181系のような後方監視用の小窓が設けられています。

No.D200_070430-23
2007年4月30日
183系
足利藤まつり号
東北本線 東鷲宮→栗橋
下の列車の追い写しです。1000番台に入れていますがクハ183-1529,OM101編成です。
(2012/09/12追加)
No.D200_070430-22
2007年4月30日
183系
足利藤まつり号
東北本線 東鷲宮→栗橋
この写真も1000番台に入れていますが,先頭車はクハ182-101,OM101編成です。
(2012/09/12追加)
No.247-14
1991年11月16日
183系1000番台
ウィングあずさ
成田線 成田→酒々井
初代グレードアップ塗色の183系「あずさ」。長野から新宿,千葉経由で成田空港に乗り入れていました。ヘッドマークは通常の「あずさ」に見えますが,「あずさ」の白い雪山の部分にウィングの文字があります。
No.N8801-09
1988年8月
183系1000番台
あずさ
中央本線 中野←新宿


中野サンプラザを望むストレート,後追いです。
(2016/12/12追加)
No.N8801-08
1988年8月
183系1000番台
あずさ
中央本線 中野←新宿


中央本線の複々線区間をゆくあずさ。
(2016/12/12追加)
No.145-10
1987年3月30日
183系1000番台
あずさ
中央本線 中野←新宿
サクラと菜の花に見送られて信州に向かうあずさ。JNRラストの3月末です。
(2015/01/18追加)
No.40-32
1984年3月30日
183系1000番台
踊り子
伊豆急 片瀬白田→伊豆稲取
風光明媚な海岸線をゆく183系「踊り子」。
(2012/09/02追加)

No.10-29
1983年8月7日
183系1000番台
踊り子
東海道本線 早川→根府川
相模湾をバックに熱海へ向け快走する183系「踊り子」。
(2012/09/02追加)
No.N8212-2
1982年11月20日 7:10
183系1000番台
4M あずさ4号
中央本線 辰野
辰野を後に新宿に向かう「あずさ4号」
(2023/03/21追加)
No.N8212-1
1982年11月20日 6:30
183系1000番台
4M あずさ4号
篠ノ井線 松本
飯田線旧国取材の時,松本から辰野まで乗車した183系「あずさ」。6:39松本始発でした。
(2023/03/21 再スキャン・ワイド化)
No.N8204-21
1982年3月8日
183系1000番台
特急 とき
上越線
岩原スキー場前(臨)←越後中里
中里スキー場の脇をゆく下り183系「とき」。
No.N8204-19
1982年3月8日
183系1000番台
特急 とき
上越線 土樽→越後中里
雪景色の上越,下り線を走る183系「とき」。
No.N8203-13
1982年3月7日
183系1000番台
踊り子
東海道本線 真鶴→根府川
通称小梅ちゃんマークを掲げて快走する183系1000番台車。1985年3月に「踊り子」は185系に統一され183系は「あずさ」系統に転じました。
183系 700・800・1800番台
 485系から交流機器を撤去したグループで,福知山運転所に所属し「北近畿」,「きのさき」,「こうのとり」等で運用されてきました。

No.D700_120812-17
2012年8月12日 7:43
183系
こうのとり 回送
東海道本線 島本
島本を通過するB63編成。前からクロハ183-803-モハ182-709-モハ183-813-モハ182-1801-モハ183-1801+クハ183-704の6連。
(2012/08/16追加)
No.D700_120812-18
2012年8月12日 7:43
183系
こうのとり 回送
東海道本線 島本
島本を通過するB63編成。最後尾はクハ183-704で485系の300番台です。
(2012/08/16追加)
No.D700_120102-189
2012年1月2日 17:22
183系
こうのとり
東海道本線 大阪
大阪駅10番線に進入する「こうのとり」。B66編成です。
(2012/08/16追加)
No.D700_111114-306
2011年11月14日 12:31
183系
こうのとり
東海道本線 大阪
大阪駅10番線に停車する「こうのとり」。B62編成です。
(2012/08/16追加)

 2009年4月11日 ページ新設
 2011年11月27日 189系を別ページに分離,番台区分
 2012年8月16日  700・800・1800番台を追加
 2023年3月21日 キャプション欄左右入替完了


■参考文献
 小玉 光  新形国電のあゆみ 鉄道ファン Vol.21 No.241 1981年5月号 交友社
 183・189系特急形直流電車 鉄道ファン Vol.34 No.395 1994年3月 交友社


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