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歴代の御料車
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 皇室用客車のうち,天皇・皇后をはじめ皇族方が乗車される御料車には,明治期の初代1号御料車から1960年に製造された3代1号御料車まで17両あります。初代1号御料車から6号御料車までが明治時代,7号御料車から12号御料車までが大正時代に製造された御料車で木造車となっています。昭和に入ると丸屋根の鋼製車となり,新たに1号から付番されています。

御料車名称 製造年 製造所 保存状況 仕様等
1号御料車 @ 1876年 工部省鉄道寮
神戸工場
鉄道博物館
一般公開
明治天皇御乗用,木造アーチ構造2軸車,全長7.34m,幅2.16m,2003年重要文化財指定
2号御料車 @ 1901年 九州鉄道
小倉製作所
鉄道博物館
一般公開
明治天皇御乗用,木造2軸車,全長8.19m,幅2.54m,前後に開放式出入台設置,外板は短冊張りで下部がすぼまった形状,鉄道記念物
3号御料車 @

13号御料車
1898年 鉄道作業局
新橋工場
東京総合
車両センター
明治天皇御乗用,全長16.129m,2軸ボギー車,当初開放式の出入台を持ち大正時代に密閉式に改造,1922年,摂政宮(昭和天皇)の北海道巡幸に使用,大正天皇崩御時に黒色に塗り替え霊柩車に改造,逗子‐原宿間で使用,1929年廃車, 1951年,貞明皇后崩御の際に復籍,13号御料車に改称し原宿‐東浅川間で使用
4号御料車 1900年 鉄道作業局
新橋工場
1931年解体 皇太子(大正天皇),同妃(貞明皇后)御乗用,二重屋根木製2軸ボギー車,全長16.129m,当初両端に開放式出入台設置,大正時代に密閉式に改造,製造当時はペンキ塗り,大正時代に深紅色の漆塗りに変更,大正時代には皇太子(昭和天皇)御乗用として12号御料車完成まで使用,1930年廃車
5号御料車 1902年 鉄道作業局
新橋工場
博物館明治村
一般公開
皇后(昭憲皇太后)御乗用,二重屋根,木造車,全長16.129m,3,4号御料車と同サイズ,当初3軸ボギー台車,大正時代に出入台を密閉式に改造した際に2軸ボギー台車に交換,製造当時は深紅色のペンキ塗り,大正初期に同色の漆塗りに変更,1959年鉄道記念物指定
6号御料車 1910年 鉄道院
新橋工場
博物館明治村
一般公開
明治天皇御乗用,モニター屋根,木造車,全長20.728m,3軸ボギー台車,台枠の側梁は魚腹形,御座所背後に側通路を持つ構造,御座所は長さ5.424m,幅1.889m, 1959年廃車,鉄道記念物指定
7号御料車 1914年 鉄道院
新橋工場
鉄道博物館
一般公開
大正天皇・貞明皇后御乗用,大正天皇御大礼用に製造,モニター屋根木製車,3軸ボギー台車,全長20.677m,深紅色漆塗り,金線装飾,御座所後部には側廊下があり御座所の幅は1.892m,昭和天皇御大礼の際の予備車,1935年廃車
8号御料車 1916年 鉄道院
大井工場
部分保存
鉄道博物館
一般公開
貞明皇后御乗用,モニター屋根,木製車,3軸ボギー台車,全長20.677m,深紅色の漆塗り,金線装飾,御座所は側廊下がなく幅2.399mと7号御料車より広い, 昭和天皇御大礼には香淳皇后御乗用として使用,その際,菊花御紋章と鳳凰が消され金線のみの装飾に変更,1935年廃車,1956年解体,女官室の一部のみ交通博物館〜鉄道博物館で展示
9号御料車 1914年 鉄道院
新橋工場
鉄道博物館
一般公開
食堂車,大正天皇御大礼用に製造,モニター屋根,木製車,3軸ボギー台車,全長19.991m,御紋章なし,食堂には3枚の広い窓を備え,1.524mx0.914mのテーブル,椅子6脚を備える,1936年廃車,1969年鉄道記念物指定
10号御料車 1922年 鉄道省
大井工場
鉄道博物館
一般公開
国賓用御料車,展望車,モニター屋根,木製車,3軸ボギー台車,全長20m,外板は深紅色の漆塗り,落成当初は金線装飾,戦後連合具に接収1951年接収解除
11号御料車 1922年 鉄道省
大井工場
1966年解体 食堂車,モニター屋根,木製車,3軸ボギー台車,全長20m,食堂は長さ7.31m,食堂部の窓は幅1.22m,片側4枚,戦後連合軍に接収,1951年接収解除,1959年廃車
12号御料車 1924年 鉄道省
大井工場
鉄道博物館
一般公開
摂政宮(昭和天皇)御乗用,モニター屋根,木製車,3軸ボギー台車,御座所が車体中央から前位寄りに配置され御座所・次室には廊下がない間取り,内装は簡素な洋風1928年11月の昭和天皇御大礼の際,御召車として使用,1959年廃車,1969年10月鉄道記念物に指定
1号御料車 A

3号御料車 B
1932年 鉄道省
大井工場
東京総合
車両センター
昭和天皇御乗用,初の鋼製御料車で車番を改めて1号から付番,同時に鋼製供奉車6両(300, 330, 340, 400, 460, 461)を製造,鋼製の御料車は丸屋根,妻面は緩い後退角を付けた3面折妻,全長20.0m,幅2.8m,3軸ボギー台車TR73,組立ては皿リベットを使用し外板表面を平滑に仕上げ暗紅色漆塗り,本車および同時期の供奉車は屋根端部高さが一般客車のように下がらず妻まで同じ高さとなる構造, 1958年には供奉車(330, 340, 460, 461)と共に更新工事で冷房能力6000kcalのユニットクーラーを床下取付け,1960年新1号御料車完成により3号御料車(3代)に改称
2号御料車 A 1933年 鉄道省
大井工場
東京総合
車両センター
香淳皇后御乗用,2代目1号御料車と同様,丸屋根鋼製車,全長20m,3軸ボギー台車TR73,車体組立ては皿リベットにより平滑に仕上げ深紅色の漆塗り,御座所は車体中央部に配置,御座所は綴織りの絹張り,供奉車は462, 463, 344, 335の4両, 1958年の更新工事で供奉車含め床下に6000kcalの冷房装置取付け,1959年4月には皇太子(上皇)・美智子妃(上皇后)御成婚の際の伊勢神宮への奉告の際に使用
3号御料車 A 1936年 鉄道省
大井工場
東京総合
車両センター
皇太后(貞明皇后)御乗用,丸屋根鋼製車,全長20.0m,3軸ボギー台車TR73,車体組立ては皿リベットにより平滑に仕上げ深紅色の漆塗り,内装は8号御料車に準じた和風,1960年新1号御料車完成により旧1号御料車が3号に改称,本車は除籍
14号御料車 1938製
1952改
鷹取工場製
大井工場改
東京総合
車両センター
三直宮 (じきみや) および貴賓客御乗用として3両製造されたマイロネフ37290形のうちの1両,マイロネフ37290→スイロネフ38 1→連合軍接収・軍番号1309→スイロネ37 1→1951年接収解除,を御料車に改造,丸屋根鋼製車,全長20.0m,3軸ボギー台車TR73
1号御料車 B 1960年 国鉄
大井工場
東京総合
車両センター
昭和天皇御乗用,詳細別ページに記載
@:初代 A:2代 B:3代

1号御料車 [初代]
No.D850_221112-299
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館
1877年(明治10年)2月5日,大阪‐京都間が全通し,明治天皇ご臨席のもと,京都‐神戸間の鉄道開業式が京都駅で行われました。この開業式のため1876年(明治9年)に製造された1号御料車。この当時の連結器は緩衝器の付いたねじ式。
No.D850_221112-300
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館
中央,御座所の窓が最も大きく,シンメトリな窓配置が美しい。塗装は赤とクリーム色のツートンカラーでペンキ塗りされています。足元には車両全体に伸びたステップがあります。
No.D850_221112-301
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館
2軸車で,軸箱には菊の御紋章が入っています。車輪の輪心は木製。車体扉には鳳凰が描かれ台枠には唐草模様。
No.D850_221112-302
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館
御座所の大きな窓の下中央に金粉で描かれた菊花御紋章とニ頭の龍の図
No.D850_221112-304
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館
御座所正面の大窓。2003年,1号御料車は重要文化財に指定されています。
No.D850_221112-305
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館



明治初期の美術工芸の粋を凝らした内装が垣間見えます。車内には三種の神器のうち草薙剣(くさなぎのつるぎ)と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を安置する剣璽棚が設置されています。
No.D850_221112-306
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館
御座所中央には玉座のソファがあり,四隅に丸椅子が配されています。窓には房が下げられており文明開化の真っ只中,和洋折衷の構造になっていることがわかります。一方の車外,窓上から屋根にかけては美しい桐と唐草模様が描かれています。
No.D850_221112-307
2022年11月12日
1号御料車[初代]
鉄道博物館



車内は御座所,次室や厠(トイレ)が設けられている他,天皇から機関士に向けて[停止][徐行][適度]の速度指令を伝達する装置が設置されているとのこと。ダイヤが込み入っていなかった悠長な明治時代がうかがえます。貴重な車両保護のため光線が極端に抑えられており感度を上げても撮影はかなり厳しい。
No.D200_080105-113
2008年1月5日
1号御料車[初代]
鉄道博物館



こちらは2008年に撮影したもので,扉を開いた状態の1号御料車。引戸ではなく蝶番で外に向けて開く片開き扉になっています。断面には水色を塗ってあります。裾部に一段張り出したステップの構造も判りやすい。館内の光線状態も変化しており以前の方が明るかったようです。
2号御料車 [初代]
No.D850_221112-296
2022年11月12日
2号御料車[初代]
鉄道博物館
2号御料車は1902年(明治35年)の)陸軍軍事演習に行幸される明治天皇の御乗用として九州鉄道が勢作した車両で,全長8.19m,幅2.54mの,木造2軸車となっています。御料車の前後に開放式出入台を設置しており,外板は短冊張りで下部がすぼまった形状をしています。1963年に鉄道記念物に指定されました。
No.D850_221112-298
2022年11月12日
2号御料車[初代]
鉄道博物館
室内は,御座所,厠(トイレ),次室となっており,御座所には幅1.26mの大型窓ガラスが取り付けてあります。
No.D200_080105-55
2008年1月5日
2号御料車[初代]
鉄道博物館
菊花御紋章は御座所の大窓の直下ではなく御料車の中央部に取り付けられています。
No.D200_080105-112
2008年1月5日
2号御料車[初代]
鉄道博物館
この時代には珍しい曲面ガラスが採用されているのも大きな特徴です。
7号御料車
No.D850_221112-262
2022年11月12日
7号御料車
鉄道博物館
大正天皇御大礼の際,食堂車の9号御料車や八咫鏡を移送するための賢所乗御車とともに製造された7号御料車。照明の暗さとガラスケースは車両保護の観点から理解できますが,室内にアクリルの仕切りを並べ,手前のガラスには説明用シールを貼って車両の全体像が隠れてまともに見えません。説明板や障害物を足元まで下げるとかもう少し頭を使って欲しいですね。
No.D850_221112-257
2022年11月12日
7号御料車
鉄道博物館



前位側出入台付近。扉,窓周り,屋根に至るまで金線による装飾が随所に施されています。
No.D200_080105-102
2008年1月5日
7号御料車
鉄道博物館



重厚感溢れるモニター屋根付き木製20m級3軸ボビー車。2008年当時は出入台の扉が開かれています。ガラスケース内は余計なアクリル仕切りがなくすっきりしています。
No.D850_221112-264
2022年11月12日
7号御料車
鉄道博物館
拝謁者控え室。右側中央が御座所への扉,奥の細い扉は御座所の後ろを通って女官室に抜ける側廊下。
No.D850_221112-268
2022年11月12日
7号御料車
鉄道博物館
御座所の窓上には菊花御紋と鳳凰の模様が入っています。御座所の天井は格天井で花葉の菱文様の絹張り,腰部には深紅色のビロードが張られています。
No.D850_221112-270
2022年11月12日
7号御料車
鉄道博物館



後位側の出入台。観音開きの扉を開いた時に車体から大きく張り出さない,奥まった位置に設置されています。
8号御料車
No.D850_221112-308
2022年11月12日
8号御料車
鉄道博物館
8号御料車は女官室部分のみが現存し鉄道博物館で一般公開されています。右側が御座所への扉。外板に塗られた深紅色の漆が鮮やかで,この色調の御料車が走行するところを見てみたいと思います。
No.D850_221112-311
2022年11月12日
8号御料車
鉄道博物館
女官室にはゆったりとした椅子とテーブルが配置されています。左側の扉を開けると大膳室前の廊下に出ます。
9号御料車
No.D850_221112-274
2022年11月12日
9号御料車
鉄道博物館
9号御料車は食堂車で,1914年,大正天皇の御大礼用に7号御料車とともに製造されました。モニター屋根を持つ木製車で,3軸ボギー台車を装備しています。,全長19.991mで御紋章はなありません。
No.D850_221112-275
2022年11月12日
9号御料車
鉄道博物館
食堂には3枚の広い窓を備えており,1.524mx0.914mのテーブルと椅子6脚があります。妻面には鷹の蒔絵が描かれています。
No.D850_221112-276
2022年11月12日
9号御料車
鉄道博物館
左側には献立室があり,カウンターを介して右側のテーブルに食事を提供できるようになっています。
No.D850_221112-277
2022年11月12日
9号御料車
鉄道博物館
献立室。左側にある料理室から料理が運ばれます。
No.D850_221112-278
2022年11月12日
9号御料車
鉄道博物館
100年以上前に製造された食堂車とは思えない美しい内装。
No.D850_221112-280
2022年11月12日
9号御料車
鉄道博物館
9号御料車は1936年に廃車となり,1969年に鉄道記念物に指定されました。
10号御料車
No.D200_080105-111
2008年1月5日
10号御料車
鉄道博物館



御料車の中で唯一の展望車である10号御料車。1922年(大正11年)にイギリス皇太子(後のエドワード8世 ウィンザー公)の来日に合わせて製造された国賓用で,1929年のイギリス・グロスター公,1931年のシャム(タイ王国)・ラーマ7世,そして1935年(昭和10年)には満州国皇帝・愛新覚羅溥儀の来日の際にも使用されました。
No.D850_221112-289
2022年11月12日
10号御料車
鉄道博物館
戦後は11号御料車とともに占領軍に接収され,軍番号2101 [ASHVILLE]として第8軍司令官専用列車Octagonianに組み込まれて使用されました。1946年にはBALTIMOREと改称されています。1951年にはようやく接収解除となり御料車に復帰ましたが使用されることもなく1959年廃車となりました。
No.D850_221112-292
2022年11月12日
10号御料車
鉄道博物館
御座所である展望室の以外は,写真手前側が廊下となっており,休憩室や供奉員室などが並んでいます。
No.D850_221112-293
2022年11月12日
10号御料車
鉄道博物館
御座所である展望室は大形窓4つ分,最後部の展望デッキと相まって開放的な雰囲気を味わえる贅沢な造りとなっています。
No.D850_221228-059
2022年12月28日
オクタゴニアン号テールマーク
京都鉄道博物館
接収されていた当時,10号御料車のデッキに掲げられていたOCTAGONIANのテールマーク。左は戦後復興最初の特急となったへいわのヘッドマーク,双方とも複製とのことです。
(2026/01/07追加)
12号御料車
No.D850_221112-283
2022年11月12日
12号御料車
鉄道博物館
摂政宮御乗用の12号御料車。昭和天皇が摂政宮だった1924年(大正13年),木製車として最後に製造された御料車。手前から出入台,窓2つが次室,そして御座所へとつながります。
No.D850_221112-284
2022年11月12日
12号御料車
鉄道博物館
洋風にまとめられた御座所,右側が御座所中央の大窓で,窓下に菊花御紋章を取り付けるリングがあります。
No.D850_221112-285
2022年11月12日
12号御料車
鉄道博物館
御座所中央の大窓。御座所の窓は答礼の最に陛下のお顔が見えるように窓の上辺位置が従来より10cm上げられレール面上2.844mとなっています。
No.D850_221112-288
2022年11月12日
12号御料車
鉄道博物館
大正天皇・貞明皇后の7号御料車と比較して,金線による装飾は簡素になっています。左側の扉の隣が次室。
お召機関車の装飾
No.D700_150718-288
2015年7月18日
お召機関車菊花御紋章
鉄道博物館
鉄道博物館に保存されているお召し用蒸気機関車の正面に取り付ける菊花御紋章。
(2024/09/11追加)

 2024年5月26日 作成開始
 2024年5月28日 御料車一覧表追加
 2024年5月28日 御料車一覧表から写真へのリンク設置


 ■参考文献
 日本鉄道旅行地図帳8号 関西1 御召列車(一) 明治天皇が見た日本 2008年 新潮社
 日本鉄道旅行地図帳8号 関西2 御召列車(二) 大正天皇が見た日本 2009年 新潮社
 日本鉄道旅行地図帳8号 関西2 御召列車(三) 昭和天皇が見た日本 2009年 新潮社
 Wikipedia 皇室用客車


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