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【写真へ】
ED75形301‐310号機は,昭和39(1964)年度第5次債務発注により,鹿児島本線久留米‐熊本間の電化開業用として誕生しています。九州地区には既にED72,ED73形が使用されていましたが,整流器のすう勢はシリコンに移りつつあり,標準形式であるED75を投入することになったものです。九州の周波数は60Hzであり,機構的には東北地区ED75の60Hz版ということができます。仕様はED75 40‐46をベースとし,周波数の変更点以外はほぼ同じ構成となっています。したがって,全く使用しないはずの電暖表示灯とKE3ジャンパ連結器も備えています。その後,昭和42(1967)年度第2次債務で鹿児島本線高速貨物列車増発用としてED75 311号機が増備されています。軸重が重いため北部九州地区の運用に限られ,またSGを搭載しないことから冬季の一般客車の牽引には充当できないなど,運用効率は高くなかったようです。全機1986年までに廃車されました。 |
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■ 新製車 |
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形式 |
番号 |
製造年月 |
製造所 |
発注区分名 |
発注名目 |
仕様 |
ED75
300番台 |
301‐305 |
1965/7‐1965/8 |
日立製作所 |
昭和39年度
第5次債務 |
鹿児島本線久留米‐熊本電化用 |
ED75 40‐46ベース,周波数の変更点以外はほぼ同仕様,屋根上ヒューズ,スノープラウ省略,EG搭載,高速貨物用KE72ジャンパ連結器とホース,ブレーキ増圧装置を追加搭載 |
306‐310 |
1965/8 |
三菱電機・三菱重工 |
311 |
1968/6 |
三菱電機・三菱重工 |
昭和42年度
第2次債務 |
鹿児島本線高速貨物列車増発用 |
尾灯,スカート形状変更,高速貨物用KE72ジャンパ連結器とホース,ブレーキ増圧装置を落成時から搭載 |
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ED75 306 |
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No.N8304‐34
1983年3月7日
ED75 306
長崎本線 肥前白石→肥前山口 |
1983年春の九州合宿で撮影したコマ。九州用60HzのED75 300番台は多分これ以外撮っていません。ED75
300番台は,ED73形の後継機として東北地区のED75を60Hz仕様としたもので,九州では使用することのない電気暖房装置がそのままにされています。写真の306号機は三菱電機・三菱重工により1965年8月11日に落成し,門司機関区に配置されました。
(2004/11/21再スキャン 2023/02/26ワイド化) |
2003年2月15日 ページ新設
2003年3月8日 電気機関車館に移設
2003年8月9日 ページ階層化
2022年9月25日 発注区分表をページトップに移設
2023年2月26日 写真ワイド化完了
2023年2月23日 キャプション欄左右入替完了
2025年1月9日 Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化
■参考文献
藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 8 鉄道ファン328 1988年8月号 交友社 (ED75
301‐310)
藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 11 鉄道ファン332 1988年12月号 交友社 (ED75
311)
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