EF71

 EF71形は,奥羽本線米沢-山形間の交流電化開業,福島-米沢間の交流切替(1968年9月23日)に伴い,昭和42年度第二次債務にてED78形9両とともにまず11両(EF71 1-11号機)が製作されています。EF71形の新製により捻出されたEF64 1-12号機は,稲沢第二区に移り,時を同じくしした43.10ダイヤ改正での中央本線多治見-中津川間電化開業用に充てられています。EF71形の製作は,日立がED78形を独占受注したこともあり,東芝と三電・三重の担当となり,前者が5両,後者が6両を担当しています。これは同時期に製作されたED76 500番台と全く同じ顔ぶれですが,EF71形は製作が急がれ,1968年7-8月に落成し,ED78形同様全機福島機関区に投入されました。構造の概要はED78形のF級版と考えられますが,主回路は6動軸になったこともあり若干変更され,主変圧器の2次側は6分割されて,6組のサイリスタブリッジが配置されています。外観もED78形と同等ですが,車体は600mm長い全長18,500mmとなってフィルタ・採光窓の数が1組増えています。また,端面裾部の踏み板は,重連貫通式車体ながら初の薄形となり,手すりの外側まで回り込んでいます。スカート部はKE77Aジャンパ連結器1個ずつの両栓式配置で,これもED78形と全く同じです。その後,EF71形は3回に渡って計4両が増備され,総勢15両が奥羽本線板谷峠越えに活躍しました。スイッチバックのスノーシェッドを往来した客・貨車列車牽引が印象に残ります。また,福米間での80系「つばさ」牽引が有名でした。

機関車番号 製造年 製造所 発注区分名 発注名目 仕様相違点・経歴等
EF71 1x EF71 2x
EF71 3x EF71 4x
EF71 5x EF00 00
1968年 東京芝浦電気 昭和42年度
第2次債務
奥羽本線米沢-山形間電化開業用および福島-米沢間交流切り換え用 1次形,総重量96.0t
EF71 6x EF71 7x
EF71 8x EF71 9x
EF71 10 EF71 11
1968年 三菱電機・三菱重工
EF71 12 EF00 00 1969年 東京芝浦電気 昭和43年度
第5次債務
奥羽本線団体列車増発用 1次形,運転室前面を熱線入り窓ガラスとしデフロスタ廃止
EF71 13 EF00 00 1970年 東京芝浦電気 昭和44年度
第3次債務
「おが」格上げ列車増発用 1次形,スカートにKE72Hジャンパ連結器追加
EF71 14 EF71 15 1973年 東京芝浦電気 昭和48年度
第2次債務
東北・奥羽線寝台特急列車増発用 2次形,前面通風口廃止,ブロック式ナンバープレート,尾灯小型化・外ハメ式化,飾り帯銀ペンキ塗装化,粘着力向上目的で死重搭載,総重量100.8t,軸重16.8tに増加

EF71 1
No.D70s_050730-16
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター

EF71 1号機は東京芝浦電気で製造され1968年7月6日に落成し,福島機関区に新製配置されています。2END側。
(2005/08/07追加
2023/03/05ワイド化)
No.D70s_050730-115
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター


1END側をローアングルで。よくここまできれいに整備してくださったものです。
(2023/03/05追加)
No.D70s_050730-116
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
1END側。全長18.5m,フィルタ,採光窓はED78形よりも1つ多い7組となり,スラリと伸びた長いボディが魅力。
(2005/08/07追加 2023/03/05ワイド化)
No.D70s_050730-48
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
ED77 1号機,ED78 1号機,ED75 1号機らに囲まれて過ごすEF71 1
(2023/03/05追加)
No.D70s_050730-49
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
1960年代後半に製造された電気機関車に共通する顔立ち
(2023/03/05追加)
No.D70s_050730-50
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
ほとんど同じアングルですがもう二度と撮影できないのでしつこくアップしておきます。
(2023/03/05追加)
No.D70s_050730-52
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
ED77 1号機の並び
(2023/03/05追加)
No.D70s_050730-66
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
昭和43年製造の文字が入った東芝のプレート
(2005/08/07追加 2023/03/05ワイド化)
No.D70s_050730-69
2005年7月30日
EF71 1
仙台総合車両センター
2END側の前面。
(2005/08/07追加 2023/03/05ワイド化)
EF71 5
No.186-21
1990年3月31日
EF71 5+50系
429レ
奥羽本線 福島
50系2両と客車の数は寂しいですが,堂々としたF級電機の頼もしさを感じます。EF71 5号機は,1968年8月19日に東京芝浦電気にて落成し,福島機関区に新製配置されています。
(2006/05/27再スキャン 2022/09/16ワイド化)
EF71 6
No.186-34
1990年3月31日
EF71 6+50系
普通列車
奥羽本線 峠
峠のスイッチバックをゆくEF71 6号機牽引の50系。EF71 6号機は,1968年7月2日に三菱電機・三菱重工にて落成し,福島機関区に新製配置されています。
(2006/05/27再スキャン 2022/09/16ワイド化)
No.186-39
1990年3月31日
EF71 6+50系
普通列車
奥羽本線 峠


スノーシェッドをバックに峠を発車するEF71 6牽引の客車列車。
(2006/05/27再スキャン
2023/03/05ワイド化)
EF71 7
No.N9002-6
1990年3月31日
EF71 7+50系
普通列車
奥羽本線 板谷
雨に打たれ板谷の駅にたたずむEF71 7号機。EF71 7号機は,1968年7月22日に三菱電機・三菱重工にて落成し,福島機関区に新製配置されています。
(2006/01/14再スキャン 2023/03/05ワイド化)
EF71 10
No.228-38
1991年8月4日
EF71 10+50系
普通列車
奥羽本線 峠


スイッチバックが廃止された峠駅に進入するEF71 10号機。右側は標準軌化工事中。EF71 10号機は,1968年7月26日に三菱電機・三菱重工にて落成し,福島機関区に新製配置されています。
(2006/05/27再スキャン
2023/03/05ワイド化)
EF71 14
No.N8205-19
1982年3月9日
EF71 14
奥羽本線 福島
福島駅で入換中のEF71 14号機。このEF71 14号機は,1973年10月12日に東京芝浦電気にて落成し,福島機関区に新製配置されています。EF71の最終増備ロット2両のうちの1両であり,4.8tの死重積載,KE72Hジャンパ栓増加などスカートが賑やかになっています。その他,ブロック式ナンバープレート採用,小形標識灯への移行,飾り帯の銀ペンキ塗装,正面通風口廃止などでイメージが異なって見えます。
(2004/10/17追加 2023/03/05ワイド化)

 2003年7月10日  ページ新設
 2009年7月19日  ページ更新
 2023年1月25日  形式一覧表をページトップへ移設
 2023年3月5日  形式一覧表の機関車番号から写真へのリンク設置
 2023年3月5日  キャプション欄左右入替完了
 2023年3月5日  写真ワイド化完了


■参考文献
 交流・交直流電機出生の記録 11 鉄道ファン332 1988年12月号 交友社
 交流・交直流電機出生の記録 12 鉄道ファン336 1989年4月号 交友社
 交流・交直流電機出生の記録 13 鉄道ファン337 1989年5月号 交友社 (EF71 12)
 交流・交直流電機出生の記録 14 鉄道ファン338 1989年6月号 交友社 (EF71 13)
 交流・交直流電機出生の記録 16 鉄道ファン340 1989年8月号 交友社 (EF71 14,15)
 Wikipedia 国鉄EF70形電気機関車


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