地上設備検測車

 新幹線には開業時から高速で路線を運転しながら軌道や架線の状態,信号電流を検測する車両を保有。東海道・山陽新幹線にはドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車),北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸新幹線にはEast iと呼ばれる電気軌道総合試験車が運用されています。

形式 番台 番号 製造/改造年 仕様等
921形


在来線のマヤ検に相当する3台車装着の軌道検測車で,牽引または編成に組み込んで使用
0番台 921-1 1962年 在来線軌道試験車をベースに設計。剛性の高い車体に取り付けた3台車による相対変位から軌道の状態を測定する。当初4000形4001号として東急車輌で製造。前面非貫通3枚窓の箱型車体。鴨宮モデル線区に投入。新幹線開業時に921-1と改番。1978年から小山試験線に投入。1980年廃車,解体。
921-2 1964年 東海道新幹線開業に合わせ増備車として旧形客車マロネフ29 11を改造して製造。全長17.5m。1975年末廃車。1976年解体。
10番台 921-11
(T2編成)
1974年 922形T2編成5号車。車体断面は922形と同一で車体長17.5mと短い。測定精度確保のため強固な鋼製車体で自重60t。
20番台 921-21
(T3編成)
1979年 922形20番台T3編成5号車。車体断面は922形と同一で車体長17.5mと短い。測定精度確保のため強固な鋼製車体で自重60t。
30番台 921-31
(S1編成)
925形0番台S1編成組み込み。921-11,21とほぼ同仕様。車体断面は925形と同一。東北新幹線向け雪切装置を追加。3台車のためボディマウント構造ではない。東急車輌製造。
921-32
(S1/S2編成)
1997年改造 200系の中間車226-63を改造。レーザーによる測定を初導入。碓氷峠を抱える長野新幹線開業に伴い,軸重の関係で従来の3台車方式の軌道検測車では入線困難なため開発。S1編成またはS2編成に組み込んで使用。2002年12月8日付廃車。
40番台 921-41
(S2編成)
925形10番台S2編成組み込み。921-11,21とほぼ同仕様。車体断面は925形と同一。東北新幹線向け雪切装置を追加。3台車のためボディマウント構造ではない。東急車輌製造。
922形 0番台 922-1

922-4

T1編成
1964年改造 鴨宮モデル線の1000形B編成を電気・信号系の測定車に改造した初代ドクターイエロー編成。軌道系の測定は含んでいない。最高速度200km/h。のちにT1編成と呼称。1975年廃車解体。

1号車 922-1 Mc 信号・通信測定車
2号車 922-2 M' 電気測定車
3号車 922-3 M 資材車
4号車 922-4 M'c 電気測定車

10番台 922-11

922-16

T2編成
1974年 T1編成老朽化と博多開業を控え0系をベースに新製された電気軌道総合試験車,T2編成。922形6両に軌道検測車921-11を加えた7両編成。日立製作所製。0系16次車と同時期発注で側窓は大窓。最高速度は210km/h。JR化以降はJR東海所属。923形T4編成登場で2001年運用終了,同年10月2〜5日に廃車解体。

1号車 922-11 Mc 通信・信号・電気測定車
2号車 922-12 M' データ処理車
3号車 922-13 M 電源車・観測ドーム
4号車 922-14 M' 倉庫・休憩室・寝台兼用シート
5号車 921-11 T 軌道検測車 (921形)
6号車 922-15 M 救援車・観測ドーム
7号車 922-16 M'c 架線磨耗測定車

20番台 922-21

922-26

T3編成
1979年 T2編成の増備として新製されたT3編成。3-5号車は東急車輌製造,それ以外は日立製作所製造。0系1000番台27次車と同時発注のため側窓は小窓。JR化後はJR西日本所属。923形T4編成登場で予備車となる。2005年廃車。922-26が博多総合車両所で保存され,2011年以降リニア・鉄道館で展示保存。

1号車 922-21 Mc 休憩室
2号車 922-22 M' データ処理・架線磨耗測定車
3号車 922-23 M 電源車・観測ドーム
4号車 922-24 M' 倉庫
5号車 921-21 T 軌道検測車 (921形)
6号車 922-25 M 救援車・観測ドーム
7号車 922-26 M'c 通信・信号・電気測定車

923形 0番台 923-1

923-7

T4編成

2000年 東海道新幹線の300系以降の車両統一に伴い700系をベースに開発された,270km/hでの検測可能なドクターイエロー。1-3号車は日立製作所笠戸事業所,4-7号車は日本車輌製造。JR東海所属。高速化のため3台車による軌道検測をやめ,車体下部に設けたレーザー基準線と台車の光式レールセンサーとの相対変位検出方式に変更。軌道検測を担う4号車は他の車両と同じ2台車かつ車体長も25mと同一になった。

1号車 923-1 M1c 変電/電車線/信号/通信測定台,電気/施設測定機器
2号車 923-2 M' 高圧室,電気関係測定機器
3号車 923-3 M2 観測ドーム,電気倉庫,電力データ整理室
4号車 923-4 T 軌道検測車 軌道計測室,施設データ整理室,施設倉庫
5号車 923-5 M2 多目的試験・電源供給,観測ドーム,休憩室
6号車 923-6 M' ミーティングルーム,高圧室,電気関係測定機器
7号車 923-7 M1c 電気/施設測定機器,カラー大型ディスプレイ

3000番台 923-3001

923-3007

T5編成
2005年 2003年ダイヤ改正で高速化された東海道新幹線で922形T3編成での210km/hの検測運転が困難になったこととT3編成の老朽化も考慮して製造。T5編成。仕様はほぼT4編成と同一。JR西日本博多総合車両所所属。
925形 0番台 925-1

925-6

S1編成
1979年 東北新幹線に向け200系をベースに製造されたドクターイエローS1編成。T3編成の50Hz版。塗色は黄色地に緑帯。軌道検測車は921-31。製造メーカは1,2号車が日本車輌製造,3,4号車が近畿車輛,6,7号車が川崎重工業。長野新幹線対応で軌道検測車を921-32に変更。E926形S51編成登場により2001年廃車。
10番台 925-11

925-16

S2編成
1983年改造 1978年製造の試験車962形を改造した編成。窓のいくつかを埋めている。S2編成。組み込む軌道検測車は921-41。
東北・上越新幹線開業後,921-41を抜いた6両編成で高速試験車として使用され,200系による240km/h,275km/h運転が実施された。E926形S51編成登場により2003年1月25日付廃車。
E926形 - E926-1

E926-6,
E926-13

East i
2001年 山形・秋田新幹線を含むJR東日本の新幹線全域をカバーするため,E3系をベースに開発された電気・軌道総合検測車で,East iの愛称を持つ。最高速度は275km/h。3号車はE926-3とE926-13の2両があり,単独でも他編成に組み込んで軌道検測可能。E926-13は2015年2月4日廃車。

1号車 E926-1 M1c 通信(LCX・在来線列車無線),電力(架線間隔測定),信号(ATC)
2号車 E926-2 M2 通信・測定用電源
3号車 E926-3
E926-13
T 軌道検測車
4号車 E926-4 M2 電力(集電・検測兼用パンタグラフ)
5号車 E926-5 M1 電力・信号
6号車 E926-6 M2c 電力(架線間隔測定),信号(ATC)

941形 - 941-1
941-2
1962年改造
1964年改造
鴨宮モデル線の1000形A編成を投入2ヶ月後の1962年8月に電気試験車に改造し,さらに1964年に救援車に改造した編成。最高速度200km/h。1975年廃車解体。

1号車 941-1 Mc 資材室
2号車 941-2 M'c 救援要員用座席(40席),工具棚


922形T2編成
No.30-27
1984年1月14日
922形10番台+921-11
ドクターイエロー T2編成
東海道新幹線 米原−岐阜羽島
東海道本線の近江長岡-柏原間で撮影中に見つけて撮影したもので距離が遠くて不鮮明ですがT2編成です。T2編成は大窓タイプの0系をベースに新製されたを922形10番台6両に,車体の短い軌道検測車921-11を組み込だ7両編成。左から1号車,2号車の順で,5号車の車体が異様に短いことが確認できます。
922形T3編成
No.21-33
1983年9月10日
922形20番台+921-21
ドクターイエロー T3編成
東海道新幹線 京都
上り線を検測するT3編成。T3は小窓タイプの0系1000番台をベースに新製されているので,大窓のT2編成との違いは容易です。この日はサロンカーなにわの展示公開でした。
No.D700_120104-389
2012年1月4日
922-26
リニア・鉄道館



T3編成の東京向き先頭車,922-26。T3編成は700系ベースのT4編成が新製された後は予備車となり,2005年に廃車されました。922-26は博多総合車両所で保存され,リニア・鉄道館の開館にあたり搬入されました。
No.D700_120104-390
2012年1月4日
922-26
リニア・鉄道館



T3編成の光前頭は車体と同じ黄色に塗られています。T1編成では灰色,T2編成では白く塗られていました。

No.D700_120104-391
2012年1月4日
922-26
リニア・鉄道館



乗務員扉窓のT3表記の922-26の表記
E926形
No.D70s_050730-229
2005年7月30日
E926形 East i
新幹線総合車両センター
JR東日本の新幹線の検測を担うEast i。E3系をベースとしており,車両限界の狭い山形,秋田新幹線にも進入可能。

 2022年8月25日 作成
 2022年9月24日 Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化

■参考文献
 ジェー・アール・アール JR電車編成表 '92冬号
 Wikipedia ドクターイエロー
 Wikipedia 新幹線923形電車