ED78
900番台 基本番台

 ED78 901号機は,奥羽本線交流電化および交流切り換え用先行試作機ED94 1として,昭和41年度本予算により1967年2月28日に日立製作所で落成し,福島機関区に配置されました。奥羽本線福島-米沢間は,1968(昭和43)年10月に施行されたヨンサントウ白紙ダイヤ改正を期として,それまでの直流電化方式から交流電化方式への切り替えが予定され,EF64に代わって抵抗器なしで勾配線を走行するために交流回生ブレーキ方式が検討され,そのテストのための試験機として製作されました。全面サイリスタ制御の導入,交流回生制動方式の採用など新機軸をふんだんに盛り込んで試作され,全長17.6m,機関車総重量は80.0tとなっています。
 ED94 1は東北本線,磐越西線,仙山線で各種性能試験を行った後,ED93 1とともに仙山線仙台-作並間で営業列車牽引に就いていました。ヨンサントウでは量産機と共通運用を組むことが求められ,1968(昭和43)年に郡山工場で量産化改造工事を受けてED78 901に改造され,同年9月10日に出場しました。外観はジャンパ連結器の変更程度であり,ほとんどED94時代と変わっていません。

機関車番号 製造年月日 製造所 発注区分名 発注名目 主な仕様
ED94 1 1967/2/28 日立製作所 昭和41年度
本予算
奥羽本線交流電化および交流切り換え用先行試作機 サイリスタ位相制御,交流回生ブレーキ搭載

出場車 入場種車 改造年月日 改造工事 主な改造箇所 改造後の経歴
ED78 901 ED94 1 1968/9/10 郡山工場 総括制御用ジャンパ連結器交換 1986/3/31廃車

ED78 901
No.232-9
1991年8月17日
EF200-901,ED78 901
吹田機関区
JR貨物・吹田機関区の撮影会で展示されたED78 901号機。78は交流機なのにパンタが上がっており,機関区の熱意が感じられました。
(2006/05/27再スキャン 2023/02/19ワイド化)
No.232-37
1991年8月17日
ED78 901
吹田機関区
吹田機関区では珍しい交流機の展示ということで気合を入れ過ぎたのか両パン上昇,非常に貴重なシーンとなりました。
(2006/05/27再スキャン 2023/02/19ワイド化)

 2004年7月11日 ページ新設
 2009年7月19日 番台毎ページ分離
 2023年1月24日 形式一覧表および改造一覧表をページトップに移設
 2023年2月19日 写真ワイド化完了
 2023年2月19日 キャプション欄左右入替完了


■参考文献
 藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 9 鉄道ファン330 1988年10月号 交友社
 藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 11 鉄道ファン332 1988年12月号 交友社
 藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 12 鉄道ファン336 1989年4月号 交友社
 藤本勝久 近代形電機 転身の記録 1 鉄道ファン347 1990年3月号 交友社

900番台 基本番台

Kano鉄道局TOP 蒸気機関車 電気機関車 ディーゼル機関車 客車 電車 気動車 新幹線