阪急電車

3000系 3100系
 3000系は1967年10月の神戸線昇圧に対する即応車として,1964年から1969年にかけ114両が新製されました。昇圧切換えを簡便にするため,主回路や制御回路はシンプルに構成し,発電ブレーキ式のいわゆるおしどり式とし,2両の電動車を1組とし,それぞれのM車は375Vの主電動機を2台永久直列接続し,これを2組(電動機4台)装備して,従来の600V時は各々単独で直並列制御し,1500V昇圧後はMc車が高圧側,M車が低圧側となって2両を直列接続し,それぞれの車両が直並列制御する方式が採られています。主電動機は補償巻線付きで,定格出力は170kW,歯車比は5.31となっています。

 3100系は宝塚線用の車両で1969年の宝塚線昇圧即応車として40両が新製されました。主電動機が120kW,歯車比が6.07であること以外は3000系と同じ仕様です。
■ 新製車
 3000系 (114両)
形式 車番 製造年 主な仕様・相違点
3000
(Mc)
3000-3033 1964-1967 三宮・宝塚向き,パンタグラフ搭載,主電動機SE-534(170kW)×4,歯車比5.31,台車FS345,定員140名,パンタグラフは冷房化改造時に撤去しM車に集約
3500
(M)
3500-3533 1964-1967 パンタグラフ搭載,主電動機SE-534(170kW)×4,歯車比5.31,台車FS345,定員150名,パンタグラフは冷房化改造時に1→2基
3050
(Tc)
3050-3083 1964-1967 梅田向き,MG2基,CP搭載,台車FS45,定員140名
3550
(T)
3550-3561 1964-1969 CP搭載,台車FS45,定員150名
 3100系 (40両)
3100
(Mc)
3100-3111 1964-1966 宝塚向き,パンタグラフ搭載,主電動機SE-535(120kW)×4,歯車比6.07,台車FS345,定員140名,パンタグラフは冷房化改造時に撤去しM車に集約
3600
(M)
3600-3611 1964-1967 パンタグラフ搭載,主電動機SE-535(120kW)×4,歯車比6.07,台車FS345,定員150名,パンタグラフは冷房化改造時に1→2基
3150
(Tc)
3150-3161 1964-1966 梅田向き,MG2基,CP搭載,台車FS45,定員140名
3650
(T)
3650-3653 1964-1965 CP搭載,台車FS45,定員150名
■ 1979年前後の編成 (神戸線)
←梅田 三宮→  
3050F
非冷房
1978-79

 3000トップナンバーを含む編成,8両化に際し2021系の付随車2073を組み込み
3052F
非冷房
1978-80

 2021系の中間電動車2029を電装解除して組み込み8両化
3056F
非冷房
1978

 2021系の付随車2080と2100系の付随車2153を組み込み8両化
3058F
非冷房
1979-80

 2021系の中間電動車2027を電装解除して組み込み8両化
3062F
非冷房
1978-80

 2021系の中間電動車2025を電装解除して組み込み8両化
3064F
冷房化
1978

 三宮方を当初の3065Fから3075Fに変え6両編成で冷房化,1979年に下の編成に組み戻し
3064F
冷房
8両化
1979-85

 三宮方を3065Fに戻し,2040を電装解除の上付随車化した2190と付随車2155を組み込み
3066F
非冷房
1978

 1978年に3559と神戸方に2100系の付随車2163を組み込み8両化
3066F
冷房化
1979-86

 非冷房時代と編成は変わらず2163を2093に改番
3068F
冷房化
1978

 2021系電動車の2037を電装解除,改番した2187と付随車2072を組み込み8両化
3074F
冷房化
1978-79

 1977年以前は3075Fの3両と組み6両,冷房8両化に際し3561を組み込み神戸方を3065Fの4両に組換え
3074F
編成組換
1981-

 上の編成から神戸方を3075Fの4両に組み戻し
3076F
冷房化
1977

 3557と2021系の付随車2076を組み込み冷房8両化
3078F
非冷房
1978-80

 2021系の付随車2075を神戸方の3079Fに組み込み7両化,このあと1981年に8両・冷房化
3080F
冷房化
1978

 6両編成のまま冷房化,このあと1979年に下の編成に変更
3080F
冷房
8両化
1979-84

 2021系の制御車を付随車化した2071と2074を組み込み8両化
3082F
非冷房
1980-81

 1978年3560組み込み,1980年2077組み込み,1981/8/24時点でまだ非冷房状態
3082F
冷房化
電幕化
1982-83

 冷房化で6000系と同様な電幕を持つスタイルに一新,クーラは各車両の中央寄りに設置,1982/4/19確認
3033
3000-3033
3025
No.N8208-23A
1982年5月下旬
3074F
3025他 8両
回送
今津線 西宮北口
西宮北口 3074-3519-3561-3024+3075-3520-2191-3025 宝塚

今津線から引き上げて来た回送,連絡線を通り西宮車庫に入る3000系冷改車。
(2024/03/05ワイド化)
3033
No.N8209-4
1982年5月下旬
3082F
3082他 8両
普通 梅田行
神戸線 西宮北口
梅田 3082-3527-3560-3032;3083-2077-3528-3033 三宮


西宮北口を発車し平面クロスを渡る3082Fの8連
(2024/03/05ワイド化)
3050-3083
3082
No.N8209-3
1982年5月下旬
3082F
3082他 8両
普通 梅田行
神戸線 西宮北口



梅田 3082-3527-3560-3032;3083-2077-3528-3033 三宮


梅田行き3000系普通。3083Fは3000系のラスト編成で,冷房化改造時に6000系と同様,標識灯と尾灯を分離して腰板部に移し,電幕化されました。
(2024/03/05ワイド化)
3100-3111
No.N8209-12
1982年5月下旬
3152F
3103他 8両
普通 梅田行
宝塚線 十三→中津
梅田 3152-3601-3651-3102+3153-3607-2178-3103 宝塚

梅田行き3100系普通。3100系は宝塚線用で,主電動機が120kW×4,歯車比が6.07であること以外は3000系と同じ仕様です。この3152Fは最初に表示幕改造された編成。
(2024/03/05ワイド化)
No.N8209-11
1982年5月下旬
3160F
3111他 8両
普通 宝塚行
宝塚線 十三←中津
梅田 3160-3608-3553-3110+3161-3609-2189-3111宝塚

6000系梅田行き急行とすれ違う宝塚行き3100系普通。3160Fは1966年11月に6両編成で落成し,1978年に8両化されています。
(2024/03/05ワイド化)

 2009年7月25日 ページ作成開始
 2009年8月15日 ページ公開
 2009年11月28日 編成表作成
 2011年11月19日 形式毎ページ分離
 2024年3月9日 写真ワイド化完了
 2024年3月9日 キャプション欄左右入替完了
 2024年3月9日 写真に編成表追記
 2024年3月9日 編成表見直し
 2024年3月9日 新製車一覧表および編成表から写真へのリンク設置
 2024年3月9日 Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化


■参考文献
 ・神戸大学鉄道研究会編 丙線 第30号 阪急電鉄特集 1984年11月発行
 ・篠原 丞 2000系から8000系に至る阪急電鉄新系列高性能電車の系譜 鉄道ファン 328 1988年8月号
 ・篠原 丞 2000系から8000系に至る阪急電鉄新系列高性能電車の系譜 鉄道ファン 332 1988年12月号
 ・阪急電鉄・諸河 久共著 日本の私鉄F 阪急 カラーブックス 保育社
 ・阪急電鉄開業100周年記念HANKYU MAROON WORLD 阪急電車のすべて 2010 阪急コミュニケーションズ
 ・山口益生 阪急電車 JTBパブリッシング 2012年
 ・Wikipedia 阪急3000系電車


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