ED17
 ED17は英国から輸入されたED50ED51ED52のおよびED13の4形式の電気機関車から歯車比変更等により主に貨物用として用いる機関車に改造されたもので,中央東線では旅貨両用として使われました。種車により仕様に差異がありますが,共通する仕様は全長12,340mm,軸配置B+B,1時間定格出力840kW,抵抗制御,非重連,吊り掛け制御となっています。
形式 機関車番号 種車 改造年 主な仕様・経歴
ED17 ED17 1‐17 (1040‐1056)
ED50 1‐17
1930‐1931 東海道本線・横須賀線電化・旅客用に英国から輸入,1923年の製造時1040形 1040-1056,歯車比2.96,1928年車両形式称号規程改正でED50 1‐17に改称,中央本線向けに歯車比4.33に改造しED17 1-17と改称
ED17 19‐21 A
(6006‐6008)
ED52 4‐6
@↓
ED18 4‐6
@1932
A1950
東海道本線・横須賀線電化・旅客用に英国から輸入,1923年の製造時6000形 60066008,外観はED50に似るが歯車比2.56とした高速向け,1928年車両形式称号規程改正でED52 1‐6に改称 @ED52 3‐6は1932から中央本線用として歯車比4.33に変更しED18 3-6に改番 AED18 4‐6は1950年装備改造によりED17に編入
ED17 22・23 (6003・6004)
ED52 1・2
1943 東海道本線・横須賀線電化・旅客用に英国から輸入,1923年の製造時6000形 6003・6004,1928年車両形式称号規程改正でED52 1・2に改称,1943年に歯車比を4.33に改造しED17 22・23と改称
ED17 24‐26 (6000‐6002)
ED51 1‐3
1938 東海道本線・横須賀線電化・旅客用に英国から輸入,搬入時に関東大震災で被災・水没し1925年再製作,落成時6000形 6000‐6002,車体前後にデッキ設置,前面扉が助士席側に寄った正面,車内右側に抵抗器を集中配置し車体左右の外観が異なる,1928年車両形式称号規程改正でED51 1‐3に改称,1938年から中央本線転用のため歯車比を4.33に改造しED17 24‐26と改称
ED17 27・28 (1030・1031)
ED13 1・2
1949 東海道本線電化・貨物用に英国から輸入,1924年の製造時1030形 10301031,歯車比4.33,1928年車両形式称号規程改正でED13 1・2に改称,伊東線の旅客列車,中央本線の貨物列車を牽引,1949年に電気機器を国産標準品に交換する装備改造を実施しED17 2728として編入
( )内は1928年車両形式称号規程改正前の形式番号
ED17 18は欠番 (6005ED52 3 ED18 3 → 2代目ED18 3に改造)
ED17 1
No.D850_221112-110
2022年11月12日
ED17 1
鉄道博物館
1END側,ローアングル。種車は東海道本線と横須賀線の電化に際し旅客列車牽引用として1923年に英国から輸入された1040形電気機関車で,1928年の車両形式称号規程改正でED50 1と改称し,1930年〜1931年に中央本線向けに歯車比が変更されED17 1として改造されました。
No.D200_100522-109
2010年5月22日
ED17 1
鉄道博物館



1END側運転台付近。デッキがないため運転台に入るにはサイドのステップを登り正面の歩み板に回り込んで扉を開け室内に入ることになり,結構使い勝手が悪そうです。
No.D850_221112-100
2022年11月12日
ED17 1
鉄道博物館
2END側。側面に大きな通風口のある無骨な外観から「クロコダイル」の愛称が付けられました。
No.D850_221112-105
2022年11月12日
ED17 1
鉄道博物館


2END側正面。台枠部に標識灯が付けられています。
No.D850_221112-109
2022年11月12日
ED17 1
鉄道博物館
1END側。元は東海道本線や横須賀線の旅客用に輸入されたELですが,勾配区間である中央本線向けに歯車比を変更してED17とし,新宿‐甲府間の電化開業に貢献しました。
No.D850_221112-120
2022年11月12日
ED17 1
鉄道博物館


1END側の運転台部。

 2024年8月31日 ページ作成開始
 2024年9月1日 ページ新設


■ 参考文献
 Wikipedia 国鉄ED17形電気機関車


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