DE50

 DE50は,1970年7月に日立製作所によりDD51の後継機として開発されたディーゼル機関車で,2基のエンジンを搭載するDD51に対し保守や運転操作を容易化するため,新開発の大出力V型16気筒ディーゼル機関DMP81Z (2,000ps/1,500rpm) を1基搭載しています。機関車重量は70tで,車体はDE10を基本としつつDD51の特徴を併せ持つセンターキャブ構造の凸形,軸配置AAA-Bの5軸,台車は3軸用がDT140,2軸用はDT131,軸重は14tです。台枠の軽量化が重点的に実施され,単位長あたりの重量は75%と,大幅に軽量化されています。1位側ボンネットにはエンジン,液体変速機,補機類が収められており,2位側ボンネットには大型ラジエータや水タンク,2基の強制冷却ファンを設置しています。また,貨物列車や固定編成客車牽引用として計画されたことからSG(暖房用蒸気発生装置)は搭載しておらず,運転台の構造もDD51のように正面向きに作られています。DE50は1号機製造後,オイルショックによる投入予定線区の電化計画の進展で需要が減少したことと,DD51のエンジン改良のめどが立ったことなどで今後の増備はDD51に一本化されることになり,DE50の量産計画は中止となりました。

形式 番号 製造年 経歴
DE50 1 1970年 量産先行試作車の位置付けで製造。1970年7月21日に稲沢第一機関区に新製配置され各種試験の後,貨物列車牽引に試用。1971年11月20日に岡山機関区に転属し伯備線で試用。その後,長い休車の末1986年5月26日付廃車。車体はJR西日本に継承され岡山気動車区で保管。2011年から旧津山機関区・扇形機関庫に移設,2016年から津山まなびの鉄道館で一般公開。

DE50 1
No.D700_190810-131
2019年8月10日
DE50 1
津山まなびの鉄道館
ナンバーを見ないとDD51との区別がつかないDE50の1END側ボンネット。
No.D700_190810-132
2019年8月10日
DE50 1
津山まなびの鉄道館



端梁には釣り合い引き通し管,元空気溜管,ジャンパ連結器が搭載され,重連総括制御が可能となっています。
No.D700_190810-085
2019年8月10日
DE50 1
津山まなびの鉄道館



1END側正面デッキ。正面ナンバーは金色の切り抜き文字。ナンバープレートから左右につながる白帯は端で斜めにカットされているためサイドから見るとDD51やDE10とは印象が大きく異なります。
No.D700_190810-060
2019年8月10日
DE50 1 DD16 304
津山まなびの鉄道館
DD16と並ぶDE50。時代の波に乗れず生まれ持った高性能を活かし切ることができなかったDE50。津山ではこんな国鉄DLの歴史もまなふことができます。

 2022年12月9日 ページ新設

■参考文献
 Wikipedia 国鉄DE11形ディーゼル機関車


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